白湯とPOP

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激動の半生を色彩豊かに振り返る、偽ドキュメンタリー映画「アイ、トーニャ、史上最大のスキャンダル」

嘘やろ?こんな人生ありかいな

 

こんにちは、久々のビーチサンダルで鼻緒ずれ、白湯です。

 

映画「アイ、トーニャ、史上最大のスキャンダル(原題:I,TONYA)」やっとこさ見ました。友人たちが口を揃えて絶対に面白いから見た方がいい!と勧めてくれていたので、重い腰を中腰くらいまで上げて、見てみました。

 

◆ストーリー

実在のアメリカ人フィギュアスケータートーニャ・ハーディングのスケーターデビューから、引退後少しまで描いた作品です。

トーニャ・ハーディングアメリカで初めてトリプルアクセルを成功させたフィギュアスケーターでありながら、ライバル選手に怪我を負わせた責任を取って、強制的にスケートを辞めざるを得なかった選手。インタビュー形式で過去を回顧する方法で物語は進んでいきます。

 

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◆面白かった!と素直に言いづらい、悲惨な半生

正直、見終わった後にどうしたらいいのか分からなくなった映画でした。

映像も脚本も申し分なかったのですが、まざまざと見せつけられたトーニャ・ハーディングという選手の人生に「うそやろ?」って言うしかなかったですね。

彼女の事はこの映画を見るまで知りませんでしたが、ものすごく才能のあるスケーターだったことは容易に想像がつきました。その上で、彼女の強さともろさと、あまりに恵まれない人間関係になんも言えないです、これは。主演のマーゴット・ロビー(「スーサイドスクワッド」)始め、面白おかしい演技と演出だけが救いですね。それくらい、悲惨です。

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フィギュアスケートの採点に関する問題は、今も続いている

トーニャ・ハーディングは色んなものと戦った人ですが、一番はやはりフィギュアスケートそのものとの闘いが見どころなんじゃないかと思います。身体能力を活かした、ジャンプの高さ、スピンの速さは定評があったものの、その前衛的なプログラム構成で芸術点が伸び悩んだ描写が、随所に見られます。

 

この芸術点の壁で悩んだ選手って恐らく彼女だけじゃないですよね。「これはフィギュアスケートじゃない」と審査員に言われれば、それまでの世界で、ユニークなスタイルの追及を辞めなかったのはすごいなと思います。この辺り、20年経った今は少しは変わってきてるんですかね?

 

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◆総評

ことごとく悲惨な話ではありましたが、できうる限りエンターテイメントとして作られていた本作は秀作だと思います。

このトーン、このテンポじゃなきゃ、絶対に見られませんでした。

 

全て俳優が演じているのにもかかわらず、回顧ドキュメンタリー調で作られているのも、良かった。あるある、絶対にドキュメンタリー作ったら、このキャラクターこんなクソ発言しそう。。。っていう、臨場感はたっぷりです。