白湯とPOP

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映画「パブリック 図書館の奇跡」感想

真の「公共(パブリック)」の意味を問う骨太コミカルの乱

 

胡蝶蘭がどうもヤマタノオロチっぽく見えてしまう、白湯です。

 

パブリック 図書館の奇跡(原題:THE PUBLIC)、主題はずばり「公共とは」、原題そのままでしたね。

全体的に明るい雰囲気は崩しませんでしたが、現代の社会問題に正面から切り込んでくる、ヒリヒリした緊張感のある映画でした。

 

シンシナティシティの公共図書館は、ホームレスの一時的なシェルターの役目も担っている。

大寒波が到来したある日、ホームレスたちが図書館への一晩の立てこもりを決行する。彼らの目的は単純に一晩温かい室内で休むこと。

運悪く占拠された階を担当していた図書館員2名は、異例の残業に突入する羽目に。。。。シンシナティ警察きっての敏腕交渉人、自らのイメージアップのため事件を利用する検事、真実よりもスクープを求める報道陣によって、平和な立てこもりに暗雲が立ちこみ始める。。。。

 

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ホームレスのシェルターって難しい問題ですよね。納税してない人のために、公金をどれだけ注ぎ込めるのか。限りある財源の中で優先順位がつくのは当然。かといって、路上で凍死するような状況を見過ごすのかといわれると、それはそれで何とかしたいとも思いますもんね。

そんな問題を、シャボン玉をプカプカ吹くみたいな感じで、ポイポイ問題提起してくる作品なんです。本当にね、エンターテインメントの中に納まる、軽さと重さを両方熟知したいい脚本ですよ。

 

びっくりしたのが、この映画、「ヤングガン」でおなじみのエミリオ・エステベスが製作・監督・脚本・主演(立てこもりに、まきこまれた図書館員)をつとめていることでした。かなりひさびさに、エンドロールで本編を越える衝撃を覚えましたね。これだから前情報なしで見る映画は、純粋に面白い。

 

後は、検事を演じたクリスチャン・スレーター、生え際に変化はあるものの、あの渋めの声だけは変わらずです。交渉人を演じたアレック・ボールドウィンね、今回めちゃめちゃ男前でしたよ。

 

一時代を築いた3人の俳優がそれぞれ円熟味を増した演技をしているのも、この映画の見どころですね。なかなか、おっちゃんたちセクスィですよ。

 

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時の流れに身をまかせ

<オススメ度>

薔薇の名前」のつるっと感が思い出せないクリスチャンスレーター ★★★★★

確かにあの曲をそう使われたくない気もする。。。 ★★★☆☆

セキュリティチームの団結力 ★★★★☆