Netflix映画「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」感想
新たな青春映画の金字塔!
ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから (原題:THE HALF OF IT)
こんにちは、文庫版の漫画は読みづらい、白湯です。
Netflix映画「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」、いや来ました、佳作!!見終わった後の胸の内に広がる瑞々しさがなんとも心地いい。(水分量を少女漫画で例えると、ときめきトゥナイトの蘭世のここ一番の涙目くらい!)
中国からの移民2世であるエリー・チュー(声もいいんです、リーア・ルイス)は父親と二人暮らしの高校生。クラスメイトの幼稚なイジメにあいながらも、頭脳明晰な彼女は宿題の代筆で小遣い稼ぎ。
ある日アメフト部のポール(平成のいい奴代表、ダニエル・ディーマー)から、学年一の美女アスター(口角がキュート、アレクシス・レミール)へのラブレターの代筆を依頼される。エリーはラブレターが代筆だと見破られぬよう、ポールの男をあげようと特訓していくが・・・
16年ぶりの新作、女性監督アリス・ウーの作り出す世界観がとにかく素晴らしい。エリー、ポール、アスター、それぞれの交流を通して、少しずつ自己を確立し、胸に秘めた夢に近づいていく過程が丁寧に書かれます。派手さはないにしても確実に展開するヒューマンドラマが、これまでありそうでなかった!
地味な主人公、アメフト部員、美人の3点セットってよくありますよね。 でもエリーは地味だけど、全く暗くはない。夢と妻を亡くし、失意の中で生きる父親を支えながら生活していますが、ほのぼのとしています。その類まれなる知識でポールのための「アスターGET戦略」をガンガン教示していきます。
ポールはアメフト部員ながら、本来の興味はアメフト以外にあるし、アスターもただの美人では全くありません。
これまでの青春映画だと想定されなかったようなキャラクターと展開を、見事に青春映画の枠に収めている。ここが凄い。
余談ですが、エリーのお父さんを演じたのは台湾アクションスター、コリン・チョウ。身体能力の高さは微塵も見せず出番の95%は椅子に座っている、というなんとも贅沢なキャスティングにもご注目ください!